現地調査旅行「モソ人母系社会の習俗・歌・呪的宗教を訪ねる旅」のご案内

当学会では今年の夏(2015年8月19日~26日)に「モソ人母系社会の習俗・歌・呪的宗教を訪ねる旅」を企画し、参加者を募集しております。案内は以下の通りです。


モソ人母系社会の習俗・歌・呪的宗教を訪ねる旅

アジア民族文化学会では、2015年8月に、中国雲南省と四川省の境に暮らす少数民族モソ人の村での現地調査旅行を企画しました。
モソ人は、母系社会を営み、多くの人が妻問いを行っています。また、掛け合い歌を始めとする豊富な歌世界を持ち、ダパという呪的職能者による呪的宗教とチベット仏教を信仰しています。本学会は2014年12月13日に呪的職能者ダパを東京に招聘してシンポジウム「病と祓―病気治療の東アジア比較文化史―」(於上智大学四谷キャンパス)を行いました。この度の調査旅行はこのシンポジウムと連動するもので、ダパであるアウォ=トディ氏の実家を訪問し、より詳しく彼らの宗教世界を理解します。また、喧嘩歌を中心とした歌掛け、篝火の周りを男女が手を連ねて歌い回る集団舞を現地で見る予定です。モソ人の村に入る経路に当たる麗江では、ナシ族の呪的職能者トンパについての理解も深めます。
この調査には1998年よりモソ人の村に入り、調査を続けている遠藤耕太郎氏(共立女子大学教授)が同行し、解説をします。また、日本語への通訳はモソ人の文化に詳しい張正軍氏(寧波大学教授)が行います。モソ人の村に身を置いて、彼らの文化を理解し、そこから東アジア文化、日本文化を考える貴重な機会です。学会員はもちろん、学会に所属しない方々の参加も歓迎します。

【行程】2015年8月19~26日
【詳細】 日中平和観光のサイトへ(閉鎖されています)
【参考文献】
日本語で書かれたモソ人関連の単行本を紹介します。
〇金 龍哲『東方女人国の教育―モソ人の母系社会における伝統文化の行方―』大学教育出版 (2011/8/20)
〇金 龍哲『結婚のない国を歩く―中国西南のモソ人の母系社会』 大学教育出版(2011/2/28)
〇遠藤 耕太郎『モソ人母系社会の歌世界調査記録』大修館書店 (2003/03)
〇遠藤 織枝『中国雲南摩梭族の母系社会 (遊学叢書)』勉誠出版(2002/02)

【諸注意】 健康管理には各自十分お気を付けください。モソ人の暮らす村は標高が2700メートルにもなります。