「東アジアの歌と文字」の出版
アジア民族文化学会2020年秋季大会シンポジウム「歌と文字」をもとにした書籍が、勉誠出版より出版されました。
真下厚・遠藤耕太郎・波照間永吉[編]
アジア遊学254『東アジアの歌と文字』
声から文字へ、文字から声への往還
声の歌が文字化されたのはいつからだろうか。
また、文字との出会いによって声の歌はどう変化したのだろうか。日本古代の『古事記』や『万葉集』、近世琉球の『おもろさうし』、中国少数民族の歌垣など、東アジアの様々な時代・地域・民族において創作されてきた歌表現の文字資料・伝承記録を、文学・民俗学・文化人類学の分野から検討し、声と文字との共存・影響関係、豊かな歌文化の諸相を明らかにする。
[目次]
【序言】東アジアにおける歌と文字の出会い 真下厚
【総論】中国辺境民族の歌と文字のかかわり 遠藤耕太郎
【総論】琉球歌謡の文字との出会い―『おもろさうし』の記載法を中心に 波照間永吉
Ⅰ 日本古代における歌と文字
歌における声と文字の出会いと共存 岡部隆志
古代の歌の命―ある手法の変貌について リュドミーラ・エルマコーワ
Ⅱ 琉球王国・沖縄における歌と文字
琉球王国・沖縄における歌と文字―おもろさうし 照屋理
琉歌と南琉球の抒情歌の文字記録 波照間永吉
南島歌謡の記録と伝承の諸相―竹富島の巻唄をめぐって 狩俣恵一
Ⅲ 中国少数民族における歌と文字
壮族の掛け合いうたにおける声と文字 手塚恵子
ペー祭文における声と文字の往還 遠藤耕太郎
中国湘西苗族の歌と文字 真下厚
資料
宮古の古謡と神歌 本永清
資料 ペー族の祭文 遠藤耕太郎
勉誠出版 2,800円(税抜き)